史上最速のチョイノリ

チョイノリの修理が終わったとの連絡がバイク屋からあったので取りにいった。


エンジンの力をカムに伝えるためのロッドがくの字型に折れ曲がっていたのでスピードが出なくなっていたのだろうとその連絡の電話で言われた。坂道の下りでスピードを出しすぎたことはないかと聞かれた。「メーカーの注意事項」*1に、坂道の下りでスピードを出しすぎると、エンジンの回転数の最大値を超えてスピードが出た結果、ロッドが曲がってしまうことがあるのだという。


修理が終わって、今回はどれくらいスピードが出るのかが楽しみだ。前回は35キロまでしか出なかったチョイノリが40キロまで出るようになって感動したものだ。


金を払って*2店を出て、チョイノリに乗る。アクセルをあけて普通に加速するだけでほっとする。そのままスピードを上げるとどんどん上がる。いくらでもスピードが出そうなので、あびこ筋をフルスロットルで走ると45キロまで出た。驚いた。「フルスロットル」という言葉の意味がチョイノリに3年以上乗っていて初めて分かった。


チョイノリは45キロまでは普通に出るような話をネット上では見るが、僕のチョイノリは買った当初は35キロがせいぜいだった。1年後にカムを交換して40キロ出るようになった。しかし、45キロは無理なんだろうなと諦めていた。買って3年以上経って、もう性能は落ちるだけだろうという時期に差し掛かったところで史上最速のチョイノリになった。すごい。最高速度が修理に出す前の1.5倍になったわけである。3年以上経って、ようやく僕のチョイノリは名誉回復を果たした。とても嬉しい。チョイノリだって実はかなりできるバイクだったのだ。よかった。本当によかった。


アクセルを全開にしていなくても、加速がついて40キロまでは余裕で出る。これまではアクセルが10割でも8割でも差がなかった。エンジンの問題ではなかったのだろう。エンジンの力を伝えるパーツの問題だったのだ。初期に出荷された状態のパーツが後期のパーツと入れ替えられることで、生まれ変わったかのような走りを手に入れたのかもしれない。


……などと、速くなったチョイノリの上で考えていたのだが、これはおかしな考え方であることにも気付く。初期型のチョイノリだって巷では45キロ出るものもあったはずだ。スピードが出ない一番の問題はカムの摩耗であるとこれまで考えていた。しかし、カムは去年も交換している。もしかすると、最初からロッドに異常があったのではないか。そして、そのロッドの異常をこのバイク屋は、これまで3度の定期点検をしたにも拘らず、その都度見逃してきたのではないかという疑念に駆られる。今回はカムの他、ウェイトローラーやエアクリーナーなども交換した*3。しかし、それらが出せるスピードに大きく影響していたとは思えない。新品の状態で既にロッドに異常があったのではないか。


といってもこれは単なる推測に過ぎない。しかし、ああ、なんか納得できない。疑念がわくようなバイク屋は代えてしまいたい。

*1:その注意事項とやらを全部教えて欲しい。

*2:ついでに自賠責保険の住所変更もした。

*3:ベルトも交換した。この辺りはスピードに影響する消耗部品ではあるが……。新品の時だってスピードが出なかったのは何故か。