倉庫化した家


ゴミ屋敷だった。今日はこの部屋を片付ける3日目だそうだ。最初、ドアを開けた目の前が既に荷物で壁になっていたという。誇張でもなんでもなく手前ギリギリ天井ギリギリまで荷物がぎっしりつまれていたらしい。それが3畳6畳の室内全体に渡っているということだ。

今日は全部出してしまうという。部屋を覗いてみるとなるほど、完全に倉庫になっていたのだと見える。

住人は生活保護受給者で、現在は長期入院中なのだそうだ。近所の人に聞くところによると住人は夜は公園で寝ていたそうだ。

テレビがトータルで11台出てきたのだそうだ。僕が見た範囲ではビデオデッキやアンプが床から天井まで高々と積まれていた。実際倉庫になっていた。かつては野宿をしていたおっちゃんなのだろうか。こういう元野宿のおっちゃんを僕は知っている。僕が知っている彼は釜ヶ崎の福祉アパートの狭い一室にビデオデッキやテレビを山積みにしている。彼に同じ面積の部屋があれば同じことになっていると僕は確信を持って言える。「拾い屋でもやっとったんやろ」と主任も言っていた。

4人で始めたが午後は途中で社長が見積もりで抜け、もう1人が都合で帰宅し残った2人で作業した。環事のプレス車が来るのが早くてとても出し切れない。最後には見かねた環事の人が手伝ってくれた。

汗は流れ続けてタンクトップに塩をふいた。日陰なのに熱中症になりそうだった。現場で作業を終えたのが17時過ぎ、会社に戻れたのが18時過ぎだった。

金はいらんから帰りたいと思うほどきつかったのはかなり久しぶりだった。