いちおしは欄間


阿○野区の公営住宅だった。あ○の筋沿いの、入り口をマンションで塞いだようなところだ。知っている人は知っている。目立つはず。入場ゲートをくぐって中に入ると普通の公営住宅だった。結構広い。

アルミサッシというがアルミサッシじゃないサッシがあるのかと思っていたのは僕の傲慢だった*1。無知だった。その部屋のサッシは鉄製だった。ガラスは磨りガラスだった。割れやすくて割れたらものすごい鋭角が付くやつだ。キッチンとリビング(といっても和室なんだけど)を仕切る襖の上には開閉式の欄間になっていた。なるほど、夏場はここを開けて風を通すのか。軽くハートをわしづかまれた。部屋が暑いのは風が通んないからなんだから風が通るような住居の工夫をするべきだ。そしたらエアコンなんていらないのだ。こたつでアイスを食うような真似はしなくてよい。

畳はすり切れまくっていた。鉄製のサッシにわかるようにめちゃくちゃ古い公営住宅で、立て替えのための仮移転が進んでいるらしい。畳の端っこは緑で金の糸が入っているやつではなく、真っ黒の布だった。ベランダの欄干は力技の鉄枠だった。アルミとかコンクリートとかでないところがよい。わしづかまれた。風呂場は蛇でも出そうで怖かった。

作業は午前中で終わったがずーっと雨が降り続いて、時にはどしゃぶりで大変だった。頭の中から汗がだらだら垂れてきた。昔はこんなに汗をかかなかった気がするんだがなあ。もう老いたから老廃物が出るのかなあ。

*1:そもそも自分の昔の実家は木製のサッシだったのを忘れている。