何か今日は納得した。基本的に仕事を割り当てられるメンバーは決まっていて、僕はその基本的なメンバーで足りない時にプラスαで加わる人員。「ちょっと今日の作業はいつもの人数ではきついからあいつを呼ぼう」「今日はちょっと楽をしたいからあいつを呼ぼう」という感じで呼ばれるので、別に僕はプラスα、おまけとして働けばいいのである。今までおまけであるということに何だか知らんが悩んでいたがおまけという気楽なポジションで働けばいいではないか。ああ楽ちん。
今日は西淀川区にある公団の7階からゴミを出した。住人は半年前にその部屋で死んだ。その部屋は半年間ほったらかしだったらしい。死人が出て腐っていたその部屋での仕事は「マルトク」と呼ばれる。今日は防毒マスクみたいなんをして仕事をした。台車で荷物を出す役をしていたので僕はそのマスクはほとんど使わなかった。作業をしているうちににおいも薄れて、マスクは必要でなくなった。それでも荷物を出しているだけで結構におった。死臭って嗅いだことありますか。僕はありますヨ。ドンマイですヨ。気にすんなって意味だ。
「マルトク」の時は会社的にもいくらか高い金で請け負うようで、僕たちも高い金をもらえる。短い時間でも高い金をもらえる。高い金をもらえるなら死臭はドンマイだ。そもそも死体が無いなら気にならんよ。ドンマイだ。ナンマイダに似ている。似てない。言わんとするところは分かれ。