のど風邪をひいた。熱とかはないが、集中力が低下する。
飯場労働者の規範と権力関係」
そもそもこのタイトルがあかんちゃうか。
この修士論文で僕が一番気に入っているのは労働過程のところで、「日雇い労働の専門化の試み」みたいのが気に入っている。非専門職の最たるもんである日雇い労働を専門職のように読み取っている労働者の実践が素敵なのだ。
*めも*
工賃で足が出ているところを人力でやって工賃を浮かすという話もあった。
*/めも*
「日雇い労働者」があって、「飯場」がある。「飯場労働者である」ことは重要でなくて、「日雇い労働者」であることが重要。…まてよ、「飯場労働者である」とは何だろう。「飯場労働者」というふうに、「飯場」に特に焦点が当たるのは固定層だろう。固定層が「飯場労働者である」のだ。
飯場労働者である」ための実践もあるんだろうか。「日雇い労働者」とは別の「飯場労働者」のカテゴリーの明確化が必要であるかもしれない。「飯場労働者」を言う意味というのは何だろうか。単に飯場を介して就労するから飯場労働者くらいにしか考えていなかったが、人夫出し飯場に定着することを選択する人たちのことも説明されなければならない。
「わしは現金とか、あっちこっち行くのは好きやないんや」「現金は日替わり弁当やからあかん言うたろ。仕事の段取りは毎日変わるし、一番きついところやらされるんやから」
というのが固定層の、飯場を選択する理由についての説明らしい説明である発言だ。
流動層から見た飯場労働者は「安定しとるし、ええんやないか」と見られていた。この人は現場飯場を志向する人だから、そうではない、人夫出し飯場渡りをする流動層が人夫出し飯場をどう評価しているのかを見なければならない。
うーん、今まで考えた中にあるのは「現金がない時にやむなく就労する場所」なんだよな。この人たちは10日なら10日できっちり出て行こうとする。彼らの意味世界において、その生活と労働の中心には「寄せ場」がある。
意味世界の中心にある場所は「人夫出し飯場」、「現場飯場」、「寄せ場」の3つが考えられる。
「ドヤがあるから大阪におるんや。ドヤがなかったら大阪におる意味ない」という言葉が「寄せ場」タイプにあった。
ドヤがあるから飯場に入らずに済む、現金に行ける。共同飯場、予備飯場である寄せ場があるから飯場に入らずに済む。
寄せ場が縮小・解体・消滅すれば「寄せ場」タイプはなくなる。10日・15日で流動する層は無くなるか。もともと求人方法として寄せ場を用いないタイプの飯場にはこの層は存在しない。
ということは飯場を構成する要素としての「寄せ場」タイプの位置も見えてくるんじゃないか。このタイプは飯場にとって扱いづらい存在だ。
*めも*
そういえば、飯場から「出張」に行くこともあるみたいだ。飯場から、仕事の出来る人が抜擢されて、条件のいい「食いぬき」の出張に行くということもあるだろう。寄せ場の機能が飯場に移る、というか、もともと飯場の機能が寄せ場に移っていたのだ。
*/めも*
派遣先の現場に適応するころには出て行ってしまう、頻繁に求人に行かなければならない、事務手続きが増えるという「扱いづらい」というデメリットがある一方で、時期的な景気に対応させやすい調整弁として「扱いやすい」というメリットもあるのか。
この層がいなければ、飯場に人が溢れかえっているが仕事はない、飼い殺し状態が発生する。飼い殺し状態が発生すると、労働者の不満がたまる。そうなると暴力的管理が必要となるかもしれない。
別の可能性もある。「めも」に書いたように、飯場から出張に行くということもある。この出張は建築現場だけではなく、工場労働などもあるようだ。「飼い殺し状態」を避けるためには、メインとなる建築現場の需要が減る時期には別の職場に遊んでいる労働者を派遣するという選択肢も考えられる。寄せ場という調整弁を利用できなくなれば、そのような調整を図らねばならない。そうなれば、人夫出し飯場は建設労働の人夫派遣だけではなく、製造業、工場労働、さまざまな領域に労働者を仲介する宿泊所付派遣業者になるかもしれない。
そうなると「日雇い労働者である」実践は難しくなる。日雇い労働の専門化はその仕事内容は雑多であるとはいえ建設業という枠で閉じられているからこそ意義を設けやすい。
おお、なんか結論めいてない?今後、飯場はいろんな業界に人夫出しするようになるかもしれないみたいな。実際、C建設なんかは警備員の派遣もやっていた。そういう事業拡大は十分考えられる。飯場がそういうふうに規模的にも機能的にも拡大するとして、それでもカバーしきれない層は路上に至る?
ということを踏まえた上で第4章はどうしよう。
飯場労働者の構成が分かれる理由、その要因、飯場の機能についての検討、労働者にとって飯場がどのような場として現れるか、その現状、今後の予測(飯場の機能の拡大)などについて書くことになる。今後の予測みたいなんは結論の第5章に持っていくとして、ここでは飯場と日雇い労働者の関係みたいな感じ。日雇い労働者にとっての飯場。現在の飯場のあり方を支えている要素、その作用。
「第4章 飯場を構成する要素とその作用について」
かな?そのほうがクリアだな。よし、明日はその方針でがーっと行ってみよう!